世界を変える美しい本  インド・タラブックスの挑戦

東京・板橋区立美術館で開催されているタラブックスの展覧会に行ってきました。
KugelBooksでも取り扱っている絵本たちがすごく素敵に展示されていて、とても感動しました。

1ページづつ、手漉きの紙にシルクスクリーンで色をのせていくハンドメイドの絵本。
タラブックスのすごいところは、そんな手間をかけた本を何千冊も作って世界に届けようとしているということ。

タラブックスを作った2人のインド人女性を交えたシンポジウムにも参加しました。

ハンドメイドの絵本は、実はタラブックスの中では2割程度で、その他にも良質の絵本を手に届く範囲でたくさん作って、インドや世界中の子供たちや大人たちに届けたいという、彼女たちの熱い思いがよく伝わってきました。

日本の出版業界とは全く違うアプローチで、とにかく直感を信じること、でも思ったのと違う結果になってしまうこともあって、それもまた素晴らしいということ。

いいアイデアを思いついたとしても、それを実現させる努力こそが実は全行程の9割くらいを占めているということ。

内部でたくさん話し合いを重ねて、いいものを作るのはもちろん大事。それを外の人にも広く知ってもらって、気に入って買ってもらい、働いている人たちもちゃんと養えるようにするまでできることが大事だということ。

そのためには組織は大きすぎないほうがよく、中心よりもむしろ周辺に位置している方がやりやすいこともある。
などなど。

シンポジウムでお話をされていた他のパネリストの方々もとても個性的で、いろんなお話を聞くことができて、とても充実したシンポジウムでした。

自分はもちろん本作りをやるわけではないけれど、彼女たちの話は本作りだけではなく、創作活動はもちろん、薄利多売とは一線を画した「生き方」のヒントになることがたくさんありました。

展覧会は、引き続き2018年1月8日まで開催されています。
ぜひ足をお運び下さい。

板橋区立美術館のサイト

名古屋方面では、2018年4月〜6月ごろに、刈谷で開催される予定だということです。
詳細がわかりましたらまたこちらでもお知らせいたします。